深海の王子様(クク主)◆深海の王子様◆
その日は朝から天気が悪かった。
最近、オレ達はやっとの思いで自分達の船を手に入れた。
一気に行動範囲が広くなり、しばらく船旅を続けていたが、この天候を機に、久しぶりに沖に戻る事にした。
…そうこう話をしていると、気付けば頭上からサァア…と雨が降り始める。
「くそ、降ってきたな…。」
「遠くの雲が黒い…すぐに海が荒れる。ゼシカとククールは甲板の物を船内へ!ヤンガスと僕は帆をたたむよ!」
そう、エイトがパーティに声をかけたのも束の間。
あっという間に、船は荒波に揉みくちゃにされていた。
…ザブン!!
「きゃあぁ!」
「ゼシカ!君は危ないから船内に…ヤンガス少し舵をお願い!」
「了解でがす!」
エイトは舵をヤンガスに渡すと、すぐゼシカに駆け寄りゆっくりと船内に誘導する。
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