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    #刀剣乱舞

    Touken Ranbu
    刀I剣I乱I舞の二次創作
    類似タグ→ #とうらぶ

    youtakeA

    DONE【刀剣乱舞】
    ※創作審神者
    顕現順にうちの審神者と刀剣男士の初対面を書くよのシリーズ

    #うちの審神者と初対面 〈小烏丸〉
    「我が名は小烏丸。外敵と戦うことが我が運命。千年たっても、それは変わらぬ」
     たとえば、晩春の山を藪を漕ぎながら登っていると不意に空気の変わることがある。「ここから先は人の踏み入る場所でない」という警告を全身に受ける。たった今自分が進めた一歩で景色のどこが変わったわけではない。足元に降り積む土になりかけの朽葉、腿の半ばまで届く数多の草々、高いところで太陽の日を透かす枝葉の緑。すべて、なにひとつ変わってはいない。
     しかし、そんなとき私は確かに山のなにか侵犯しているのだ。だから即座に、かつ息をひそめて振り返り、来た路を戻る。山で育つ私たちは、その見極めを子供の時分から少しずつ覚えて育つ。
     顕れた男士は、その頭頂が私の目線より低い位置にある。なのに私の心は、見下ろしているはずの男士をはるか仰ぎ見ている。里から山の頂を見上げ、日常であるはずのその風景に突如畏怖をあらたにする、あの心地。あの山路をもし警告に抗ってさらに進んでいたなら、そこで出会うのはあるいはこのような存在だったのかもしれない。
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    OtohaFrappe

    REHABILI刀だから眠らないけど、じっちゃんと一緒に眠ってみたい獅子王。
    ※獅子王とじっちゃんしか出てきません。
    ※刀剣男士として顕現するより前の話。じっちゃんには獅子王が見えています。
    こんな感じの、眠りがキーワードの一つになる獅子王とじっちゃん(と送り主=帝)の短編集か何かをつくりたいな~とぼんやり考えていくつかネタだししていたうちの一つです。
    眠らぬ獅子が眠るとき「なあ、じっちゃん。眠るってどんな感じなんだ?」

    邸に帰ってきた頼政を出迎えた獅子王が、二人で居室に入るなり投げかけた問いに、頼政は少し間を置いて静かに返した。
    「眠り、か。心身を休める為には必要不可欠なことだ。身体だけでなく心を休め、しばし浮世の些事から離れる」
    「夢ってのをみることもあるんだよな?」
    「ああ。眠りについた後は意識はなくなるが、夢をみることもある」
    ふうん、とだけ呟いてしばらく難しい顔をしている少年に、老将が何かあったのかと問うてみると、考え考えといった様子で少しずつ言葉が返ってきた。

    「寝るときの人間ってどんなこと考えてんのかなって、気になってさ」
    金の髪を持つ少年は、自らの傍らに佇んでいた相棒の背を撫でながら、ゆっくりと言葉を選ぶ。
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